指名クエリでAI Overviewsを測定する方法

2026年9月、Googleはほとんどのブランド名での検索でAI Overviewsを表示し始めました。Search Consoleでは、どのクエリで表示されたかは分かりません。このプレイブックでは、ブランドの定義とクラスタを設定して、それでも影響が見えるようにし、どこでクリックを失っているか、何を直すべきかを把握します。

example.comのGSC Wizardダッシュボード。3か月間(2026年7月11日〜10月11日)の指名クエリで絞り込み。9月初旬まで指名のクリック数と表示回数は連動して動き、その後、表示回数は横ばいのままクリック数が約5分の1減少しています
表示回数は横ばいで、9月初旬からクリック数が減少。指名クエリにAI Overviewが残す痕跡です(GSC Wizard、サンプルデータ)。
目標

指名トラフィックを意図別に分け、順位は維持されているのにCTRが下がったクラスタを見つけます。

所要時間

セットアップに30分、その後は月15分です。

必要なもの

GSCを接続済みで、少なくとも2026年7月までさかのぼってデータがあること、そしてブランド名と商品名のリスト。

9月に何が変わったか

2つの独立したデータセットが、異なる方法で測定しながら、同じ急増を示しています。

  • DemandSphereは、すべての市場とデバイスで指名キーワードを毎日追跡しています。AI Overviewが返される割合は、9月1日の26.12%から9月27日には最大の90.48%に上昇し、9月29日は82.06%でした。Googleからの発表はありませんでした。(DemandSphere、2026年10月1日)
  • Ahrefsは、米国のデスクトップにおける指名キーワードの9,250万件のクロールを調べました。月間平均は7月の61.3%から8月は65.1%、9月は73.3%となり、9月29日には82.91%でした。ブランド名のみ100件を調べた別のパネルでは、7月1日にAI Overviewが表示されたのは有効な98件中5件でしたが、9月30日には100件中63件に表示されました。その63件のうち48件では、AI Overviewがブランド自身のサイトより上の1位に表示されていました。(Ahrefs、2026年10月2日)

どちらのデータセットもクリックは測定しておらず、あなたのブランドが影響を受けているかどうかも示しません。第三者のキーワードパネルは、あなた自身のキーワードセットではありません。自サイトへの影響を確認できるのは、自分のSearch Consoleデータだけです。

指名クエリに専用のチェックが必要な理由

一般的なクエリでは、AI Overviewは他の10サイトと競合します。ブランド名では、すでにあなたを探していた人に対して、AI Overviewがあなた自身と競合します。そこから、2つのリスクが生じます。

  • これまで当然のように獲得していたクエリでクリックを失う。Ahrefsの以前の調査では、AI Overviewが表示されたとき、1位のページのクリック率が58%低下していました。その調査は指名クエリを対象にしたものではないため、予測ではなく、傾向として受け止めてください。
  • 他の誰かがあなたのことを語る。Ahrefsのブランドパネルでは、情報源が確認できたAI Overviews 57件のうち、Wikipediaが41件、YouTubeが22件、LinkedInが13件に登場しました。古いYouTubeのレビューをもとにした料金の回答も、やはり料金の回答として表示されます。

Search Consoleで見えること、見えないこと

検索パフォーマンスのレポートには、クエリごとのAI Overviewのフラグがありません。生成AIのパフォーマンスレポートは、どのページがAI OverviewsやAIモードに表示されたかを示しますが、クエリ別ではなくページ別で、APIでは取得できません。そのため、「AI Overviewが表示された指名クエリ」でフィルタすることはできません。

見えるのは、その痕跡です。AI Overviewが検索結果の上に表示されると、掲載順位と表示回数はほとんど変わらず、CTRだけが下がります。指名トラフィックを意図別のグループに分けると、そのパターンが現れるグループと現れないグループがあり、どこに注目すべきかが分かります。

手順

  1. 指名キーワードを設定する。プロパティ設定 → 指名キーワード。ブランド名、よくあるスペルミス、拡張子なしのドメイン、商品名を追加します。通常のキーワードは、大文字小文字を区別せず、クエリのどこにあっても一致します。パターンを使う場合は、スラッシュで囲みます:/acme ?corp|acmecorp/。そのうえで、指名フィルタをオンにしてクエリレポートを開き、非指名側をスクロールして、見落としたブランドの表記違いを探します。
  2. 意図別の指名トピッククラスタを作る。プロパティ設定 → トピッククラスタ(CSVインポートも使えます)。あなたのブランドを検索するときに人が求めているものごとに、1つのクラスタを作ります。1つのクエリは複数のクラスタに属せるので、パターンは絞り込んでおきましょう。ブランド名をacmeとした場合の出発点となるセットは次のとおりです。
    • ブランド名のみ: /^acme$/
    • ログインとアプリ: /acme.*\b(login|log in|sign in|app|account)\b/
    • 料金: /acme.*\b(price|prices|pricing|cost|plans?|discount|coupon)\b/
    • レビューと信頼性: /acme.*\b(reviews?|legit|scam|complaints?|reddit)\b/
    • 比較: /acme.*\b(vs|versus|alternatives?|competitors?)\b/
    • サポート: /acme.*\b(contact|support|cancel|refund|phone|help)\b/
    • 質問: /^(how|what|why|which|when|who|can|does|is)\b.*acme/
    複数の商品を扱っている場合は、主な商品ラインごとにクラスタを1つ追加します。修飾語は、お使いの言語に置き換えてください。
  3. 変更に注釈を付ける。2026年9月1日に注釈(「指名クエリでAI Overviewsが拡大」)を追加し、スコープをすべてのプロパティにします。そうすれば、以降に開くすべてのチャートで、変化が始まった場所が分かります。
  4. クラスタごとに8月と9月を比較する。指名フィルタをオンにしてトピッククラスタを開き、「クラスタのパフォーマンス推移」で期間を直近3か月に設定します。各クラスタについて、3つの数字をあわせて読みます。
    • 掲載順位が横ばい、表示回数が横ばい、CTRが低下:あなたの上で検索結果ページが変わりました。これがAI Overviewのシグナルです。
    • 表示回数が減少:あなたを検索した人が減りました。レイアウトではなく、需要の問題です。
    • 掲載順位が低下:ランキングの問題です。これは別に、先に対処してください。
    そのうえで、前年の同じ月も確認します。毎年9月が弱いブランドもあるためです。
  5. 自社のCTR曲線と照らし合わせる。高度な分析 → CTR曲線で、指名フィルタをオンにします。1〜2位の指名クエリで、期待CTRを大きく下回っているものが、対応の候補リストになります。
  6. 実際の検索結果ページを見る。CTRが下がった各クラスタの上位10クエリについて、主な市場でプライベートウィンドウを使って検索します。AI Overviewがあるか、内容は正しいか、どの情報源を引用しているかを記録します。クラスタごとに10回の検索を、月に1回、スプレッドシートにまとめます。この手順はあえて手動にしています。トラッキング製品を動かすのではなく、検索結果ページを確認するためです。
  7. 影響を受けたクラスタの背後にある自社ページを直す。料金の回答が間違っているなら、料金ページには、最新の料金、プラン名、適用開始日を、ページの上部に記載する必要があります。サポートの回答が第三者のフォーラムを指しているなら、ヘルプページに正確な手順が必要です。比較の回答がレビューサイトから出ているなら、自社の正直な比較ページが必要です。ページがどの商品、市場、バージョン、日付に当てはまるのかを示す文を書いてください。そのうえで、生成AIのパフォーマンスレポートで、それらのページが表示され始めるかを確認します。

やってはいけないこと

  • ブランド名と修飾語のあらゆる組み合わせごとにページを作らない。AI回答を誘導するために大量に作ったページは、Googleによって大量生成コンテンツのスパムとみなされます。そのクエリにすでに答えているはずのページを改善しましょう。
  • ブランド名を繰り返すためにすべての段落を書き換えない。分かりやすい見出し、ページが誰向けかを示す1文、日付入りの事実のほうが効果があります。
  • クリック数だけで判断しない。AI Overviewで正しい料金を読んでから登録した人は、それでもコンバージョンしています。何かを書き換える前に、GA4で指名経由のコンバージョンを確認してください。

AIアシスタントから実行する

同じチェックはGSC Wizard MCPからも実行できます。8月と9月の指名パフォーマンスとトピッククラスタのパフォーマンスを依頼すれば、アシスタントが両方を取得します。手順6の検索結果ページの確認は、手動のままです。

注意点

DemandSphereとAhrefsは、追跡しているキーワードセットが異なり、Ahrefsが調べたのは米国のデスクトップのみです。DemandSphereの日次の数値は、9月27日から28日の間に10ポイント動いており、Googleがまだ調整中であることを示しています。順位が安定したままCTRが下がるのは、AI Overviewと矛盾しませんが、それを証明するものではありません。そのため手順6があります。完全なルール構文については、トピッククラスタのセットアップガイドをご覧ください。

次のプレイブック

非指名クエリでもCTRの低下が見られる場合:成果の低いページのCTRを回復する →

執筆:Jan-Willem Bobbink · 公開日:2026年10月7日

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